もう偏差値の高い大学を目指す時代ではない……気がします。

 これは、ちょっとだけ未来の話。

「お勤めは?」

「今は10社くらいですが……」

「お仕事は何をなさってるのかしら?」

「えっと……IT関連の仕事が多いですが、運動不足解消も兼ねて倉庫管理や配達の仕事もたまにしています」

「えっと……そうすると、お勤め先はどこになるのかしら?」

「もう! お母さん、そんなこと聞いたって意味ないでしょ。

 彼、年収は安定してるし、仕事選びも上手いんだから」

「ごめんなさい、ついね。お勤め先を聞くなんて、今の世の中じゃ無意味よね」

「そうよ。もう勤め先で人を判断するような時代じゃないんだから」

 ……

 ……

 ひと昔前には、フリーターの増加が社会問題になったりもしていましたが……。

 気がつけば終身雇用制は崩壊。

 転職、中途採用も当たり前になり、

 遂には公務員までが副業を認められる時代となりました。

 そう、副業……。

 メインの仕事を持ちながら、空いた時間を使って別の仕事をする。

 そんな中で、気がついたら副業による収入が本業の給料を超えてしまって、なんて話もちらほら。

 ともあれ、現状では主となる仕事があって、それとは別に余暇の時間を使って副業をする、という感じだと思います。

 そう、どの仕事が本業で、どの仕事が副業か、

 少なくとも、これははっきりしています。

 でも、もし副業がたくさんあったらどうでしょう?

 10個くらいの副業を持つのが当たり前になったら?

 今でも多くの会社が中途採用の即戦力を積極的に雇用し、社員を育てるという発想は既になくなりつつあります。

 使えない人材は切り捨て、使える人材に入れ替える。

 これは雇われる側も同じで、条件の悪い仕事はさっさと辞めて、良い条件の仕事に乗り換える。

 おまけに、複数の会社の仕事を単発で同時にするのが当たり前になったら?

 こうなると、従来の定番の人物評価基準、

「お仕事は?」、「お勤めは?」

 って質問自体が無意味なものになってしまう気がします。

 そして、そうなると、

 いい大学に入れば就職に有利、という常識もいつまでもつか……。

 実際、今でもネット上で募集している在宅ワークなどの求人では、学歴を採用条件としている仕事はあまり見かけません。

 できるか、できないか?

 それだけです。

 ……と、こんな世の中で、

「しっかり勉強しないと、将来困るぞ」

 こんなことを生徒に言うのは、欺瞞な気がします。

 いや、違いますね。

 内容なんてしっかり理解できなくても、テストで出るところだけ覚えておけば大丈夫。

 とにかく偏差値の高い大学に入れさえすれば、それで十分なんだから。

 そんな意味ではなく、

「(本当の意味で)しっかり勉強しないと、将来困るぞ」

 そう言える時代が近づいているのかもしれませんね。

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この記事を書いた人

オンライン家庭教師(指導歴30年以上)

小説家(アマチュア以上プロ未満)
自著:転生幼女は教育したい(ツギクル)

旅人(通算海外放浪歴は1年以上になります)

なんちゃって茶人
(裏千家で一応お茶名を拝受しております)

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