これは、脳の中で起こっているかもしれない架空のお話。
どうすれば覚えたことを忘れないようになるかのヒントになるかもしれません。
……
ここは脳内のとある部署。
記憶の受付窓口的な場所なのですが……。
「おい、上からなんか新しい書類送られてきたぞ」
「はぁ!? またですか? 最近多くないですか、こういうの」
「まぁ、今はテスト週間らしいからな。こんなものだろ」
次々に送られてくる書類にざっと目を通しながら、先輩社員の海野さんが新人の馬渕くんを嗜めます。
「だいたい、こんな書類、本当に必要なんですか?
別に危険を知らせるものでもなし、生きていくのに必要なものってわけでもなし……。
数式? 歴史上の人物の名前?
なんすか、これ! ありもしないモノや会ったこともない人の名前覚えても意味ないでしょ」
馬渕くんは文句を言いながら、送られてくる書類を机の隅のボックスに放り込んでいきます。
「おいおい、そんなに雑に扱うなよ。もしかしたら、また使うかもしれないだろ」
「どうせ使いませんよ、こんなの」
それがフラグになったのでしょうか。
ちょっと前に送られてきた書類に関する問い合わせが届きました。
「えっ? どこだっけなぁ、確かにあるはずなんだけど……」
馬渕くんと海野さんが処理済みの書類箱を漁るも、必要な情報の書かれた書類は見つかりません。
「しょうがない、そんな書類はここには届いていない。
そう報告しよう」
すると、また新しい書類が送られてきました。
きっと、前回した返答を受けて、新しく書類を作り直したのでしょう。
「海野先輩、この前こちらでは受理していないって報告した書類、また来ましたよ。
どうします? 次も失くしたって言ったら、ちょっとヤバいですよねぇ」
「そうだなぁ、たいして重要な内容とも思えんが、一応机の隅にでも避けておくか」
そうして、その後も次々に送られてくる書類を、無造作に廃棄予定の書類箱に放り込んでいると……。
また、この前の書類の内容に関する問い合わせが届きました。
「海野先輩、また来ましたよ」
「あぁ、だが、今回は大丈夫だろう」
そう言って2人で散らかり放題の机を漁ると……。
しばらくして、ようやくこの前送り直されてきた書類を発見することができました。
これで一安心です。
「こんなどうでもいいことを2度も聞いてくるなんて、上の考えることはわからんな」
「ほんと、何がしたいのか意味不明ですよ」
ただ、実はこの書類に関する問い合わせはこの時だけでは終わらなくて……。
その後も時間を空けて何度も何度も問い合わせは届きました。
「また来ましたね……」
「あぁ……」
事ここに至っては、さすがに2人も例の書類の重要性を認めざるを得ません。
「俺にはさっぱりわからんが、どうもこの書類は重要なものらしい。
大野さんに話を通して、専用の保管場所を作ってもらえ」
「了解です。こう頻繁に問い合わせされちゃあ、探す手間も大変ですからね」
こうして専用の記憶の保管場所に収められた情報は、いつでもスムーズに取り出して利用することができるようになったのでした。

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